ビネヒ ツィツカ 2020 オレンジワイン クヴェヴリ製法 カルトリ地方

グラスに注ぐと、まばゆいゴールドアンバーの色合いが広がり、秋の果樹園を思わせる熟したリンゴやドライフラワーの香りが優しく立ち上がります。口に含むと、クヴェヴリ由来の中程度のタンニンが繊細な骨格を形成し、オーク熟成によるバニラのスパイス感が全体に深みを与えます。活き活きとした酸が味わいを引き締め、口当たりは重厚でありながらエレガント。グリーンティーのニュアンスが果実味とスパイスに繊細に絡み、優美で複雑ながらも親しみやすい印象を残します。余韻にはドライアップルとジンジャーブレッドの温もりが長く続き、また一口へと誘われる魅力的なフィニッシュです。

Tsitska Qvevri 2020は、イメレティ地方スヴィリにある自社畑で、冷涼な早朝に手摘みされたツィツカ種のブドウを使用。収穫は2020年のパンデミック下で行われ、制約の中でも品質を追求した選果がなされました。仕込みはまず、果皮とともに土中に埋められたクヴェヴリで一次発酵とスキンコンタクトを実施。その後、澱引きされたワインは2年使用されたフレンチオーク樽で6〜8か月間熟成され、クヴェヴリの伝統とオークの現代的要素を融合させたスタイルに仕上がりました。土壌は腐植質と炭酸塩を含む複合型で、昼夜の寒暖差が大きいSviriの気候は、ツィツカに特有の酸味とミネラル感を際立たせる理想的な環境です。