チュリチネブリ アラダストゥリ 2023 赤ワイン ジョージアワイン イメレティ

透き通るようなルビー色に淡いアンバーが溶け込んだような色調。香りは非常に表情豊かで、干しイチジクやドライチェリー、熟したラズベリーといった赤系果実の凝縮感に、シナモンやクローブの甘やかなスパイス、さらにタイムやローズマリーのような野生的ハーブが複雑に折り重なります。口当たりは非常になめらかで、自然な果実の甘みと心地よい酸が印象的。タンニンはシルキーで丸みがあり、瓶熟を待たずに楽しめる構造を備えています。余韻は長く、温かみを感じさせながら、ほのかなミネラルとスパイスが静かに残ります。軽く冷やして（14〜15℃）サーブすれば、香りの広がりと清涼感のバランスが最も引き立ちます。

ジョージアワインは、イメレティ地方のメオレ・スヴィリ（Meore Sviri）マイクロゾーンにて、冷涼な早朝に手摘みで収穫されたAladasturi（アラダストゥリ）種を使用。糖度22〜23g/L、酸度8g/Lという絶妙なバランスで収穫されたブドウは、丁寧に軸付きで吊るし干しされることで、水分が抜け、糖や酸、芳香成分が凝縮されました。乾燥後、優しくプレスされ、その果汁はチュリ（Churi）と呼ばれる素焼きアンフォラ容器で、自然酵母による自発的発酵と熟成を実施。発酵時には果皮との長期接触を行い、フェノール分やテクスチャーを豊かに引き出しました。微量の酸素供給を伴うアンフォラ熟成により、果実と酸、スパイスの複雑な調和がもたらされています。全体でわずか450本限定の実験的少量生産ワインであり、Churiと自然なブドウの個性を活かした希少な一本です。