アーティザニ ルカツィテリ 2022 オレンジワイン カヘティ地方

2022年ヴィンテージの「Mtsvane Rkatsiteli Orange Affair」は、まずほんのりとしたスモーキーなニュアンスで始まり、やがて黄色いチェリーやドライフラワーの繊細なアロマが立ち上がります。続いて、完熟メロンのような豊かな果実味と、ほのかなキャラメリゼした果実のニュアンスが広がります。口に含むと、ふくよかで厚みのあるボディが印象的。そこに柔らかな酸が寄り添い、さらに上質なタンニンによる心地よいビター感が絶妙なアクセントを加えています。これは、長期のスキンコンタクトと高地の畑がもたらす特徴そのもの。自然な造りがブドウ本来の個性を余すことなく表現し、奥行きのある質感と生き生きとした躍動感を兼ね備えた一本です。

私たちはブドウをすべて手作業で収穫し、果実が傷まないよう小さな箱に入れてワイナリーまで運びました。発酵は一切の添加物を使わず、天然酵母のみで行っています。発酵がスムーズに立ち上がるように、時には本収穫の2〜3日前に少量のブドウを先に収穫し、ワイナリー内で酵母を十分に育ててから仕込みに入ります。これにより、発酵開始の遅延（ラグフェーズ）を防いでいます。発酵はクヴェヴリではなくステンレスタンクを使用しています。これは、「ジョージアワインがユニークなのはクヴェヴリだから」という誤解を避けるためです。実際には、その独自性は固有のブドウ品種そのものにこそあります。クヴェヴリはあくまで一つの手段であって、私たちはブドウ本来のキャラクターを純粋に表現することを重視しています。仕込みでは果梗を除去し、4〜5時間ごとに櫂入れ（ピジャージュ）を行い、酸素供給と適度な抽出を管理。これにより、腐敗を防ぎつつ、果皮からの色素やタンニン、アロマをバランス良く引き出します。2022年ヴィンテージでは、12日間のスキンコンタクト発酵を行った後、澱引きを実施。その後、自然なマロラクティック発酵（MLF）が自発的に進行しました。冬の間は冷涼な環境で自然安定化を行い、翌春に再度澱引きを経て無清澄・無濾過で瓶詰め。そこから最低6か月間の瓶内熟成を経てリリースしています