ビネヒ ルカツィテリ ムツヴァネ 2020 オレンジワイン クヴェヴリ製法

グラスに注ぐと、輝くアンバーカラーが視覚を魅了します。香りは熟した黄系果実（洋梨や黄桃）を中心に、控えめながら上品なスパイスが重なり、ふくよかさと洗練を併せ持った印象。口に含むと、ミディアムボディながら密度感があり、タンニンはしっかりと統合され、酸味とのバランスも良好。30%の果皮・種・果梗のみを使用したクヴェヴリ発酵により、過度な渋みや重さを避けつつ、果実の輪郭を明瞭に残しています。中盤から後味にかけてはドライハーブのようなニュアンスと、焼きリンゴを思わせる温かみある余韻が広がります

ジョージア東部カヘティ地方アフメタの段々畑で育まれたルカツィテリ種とムツヴァネ種のブレンドによって造られました。2020年の生育期は全体的に好天に恵まれ、ブドウは健全に熟し、果実味と酸のバランスが取れた状態で収穫。醸造では、土中に埋められた素焼きのクヴェヴリを使用し、果皮・果梗・種を含む固形部分は全体の30%に限定。これは伝統的な構造を保ちながらも、現代的なエレガンスと飲みやすさを意識した技法で、タンニンの抽出量を適度にコントロールしながら、果実の持つアロマやテロワールの個性をしっかりと反映しています。伝統と革新を調和させた、現代的クヴェヴリワインの好例です。