ルカツィテリ 2015 オレンジワイン ジョージア ビネヒ クヴェヴリ製法

グラスに注がれると、琥珀色の液面がまるで夕暮れ時の果樹園を思わせます。まず感じられるのは、完熟したアプリコットやクインス（マルメロ）、洋梨の甘やかな果実香。そこにカモミールの乾いた花、そしてサフランの温かみあるスパイスが複雑に折り重なり、グラスを回すたびに表情が変化します。

口に含むと、クヴェヴリ由来のしっかりとしたタンニンがシルクのようになめらかに広がり、同時に中盤にはふくよかな果実の厚みが感じられます。印象的なのはそのバランス感。しっかりとした骨格を持ちながらも、鮮やかな酸が全体を引き締め、飲み口に軽やかさを与えています。

フィニッシュには、キャンディジンジャーやオレンジピール、ローストアーモンドのニュアンスが現れ、長く静かに余韻が続きます。このワインの持つ柔らかさと芯の強さは、料理とのペアリングでも真価を発揮

ジョージア東部カヘティ地方アフメタの段々畑で、日の出とともに手摘みされたルカツィテリ（Rkatsiteli）種のブドウから造られました。収穫時の果実は、20〜22 °Brixの糖度と酸のバランスを保ち、非常に芳香豊かな状態に仕上がっていました。果汁・果皮・種・果梗をすべて含む「マスト」を使用し、ジョージアの伝統的な製法である「クヴェヴリ」で6か月間発酵・熟成させることで、タンニン、テクスチャー、テロワールの個性が深くワインに反映されました。醸造容器は一貫してクヴェヴリのみが用いられ、果実味とスパイス、ミネラルが一体となった、他にはない一体感のある味わいが特徴。