知っておくべきオレンジワイン知識【3分目安】

数年前、「オレンジワイン」が一世を風靡しました。

一過性のブームとして捉えられていた時期もありましたが、オレンジワインは一つの確固たるスタイルとしてワインラバーたちの間に定着!

現在では、世界中でその土地ならではの個性豊かな、そして驚くほど美しいオレンジワインが数多く生み出されています。

この記事では、オレンジワインの世界へご案内します。

オレンジワインとは一体どんなワインなのか?

3つのオレンジワインを実際にテイスティングした感想と共にご紹介します。

オレンジワインの基本を知る

オレンジワインというユニークな名前を聞いて、多くの方がオレンジの果実から造られる特別なワインだと思われるかもしれません。

しかし、そうではありません。

オレンジワインは、実は白ワイン用のブドウを使って造られるワインです。

なぜ「オレンジワイン」という名前なのでしょうか?

その秘密は、一般的な白ワインとは異なる独特の製造方法にあります。通常の白ワインは、ブドウを絞った果汁だけを発酵させるために、果皮をすぐに取り除きます。

これに対し、オレンジワインは赤ワインを造る工程と同様に、破砕した白ブドウの果皮や種、時には梗も一緒に、数週間から長いものでは数ヶ月もの間、果汁と触れ合ったまま発酵させます。

この「スキンコンタクト」または「果皮浸漬(マセラシオン)」と呼ばれる工程こそが、特徴づける最も重要な要素です。

木製のテーブルで、丸みを帯びたグラスに太陽の光を浴びながら注がれる、ジョージアワインのオレンジワイン。グラスに当たる光がワインの色をより美しく見せている。

果皮がワインに与える魔法(色と風味、タンニン)

この果皮との長時間の接触が、ワインに様々な影響を与えます。

まず、白ワインには通常見られない、オレンジや琥珀(アンバー)、時にはピンクや銅のような独特の色合いが生まれます。

これは、果皮に含まれる色素が果汁に溶け出すことによるものです。さらに、果皮からは色だけでなく、アロマ成分や風味、そしてタンニンも抽出されます。

例えるなら、お湯に紅茶の茶葉を長く浸すほど、色や風味、そして渋みが濃くなるのと似ています。

このタンニンが、オレンジワインに通常の白ワインにはない、しっかりとした骨格や複雑さ、心地よい渋みをもたらすのです。

ジョージアでは「アンバーワイン」

ちなみに、このスタイルのワインは、オレンジワインという名称が一般的になる前から、発祥の地とされるジョージアでは伝統的にアンバーワイン(琥珀ワイン)と呼ばれ親しまれてきました。

オレンジワインの歴史と主な産地

発祥の地、ジョージアとクヴェヴリ

オレンジワインの歴史は非常に古く、その起源は紀元前6000年頃にまで遡ると考えられています。

ワイン発祥の地の一つとされるジョージア

古来より「クヴェヴリ」と呼ばれる、内側を蜜蝋でコーティングした粘土製の大きな卵型甕を地中に埋めてワインを造る伝統があります。

このクヴェヴリの中に、破砕したブドウを果皮や種、梗も一緒に投入し、自然な温度で発酵・熟成させるという伝統製法こそが、現在のオレンジワインの原型と言われています。

ガイド役の男性がクヴェヴリの横で説明をする様子。大きなクヴェヴリを囲むように2人の女性が立ち、手前にはワイングラスを持つ手が写っている。床にはクヴェヴリを埋めるための穴が規則的に並び、伝統的な空間の雰囲気を伝えている

古代から現代へ

この果皮と共に醸造するスタイルは、ジョージアだけでなく、古代ギリシャやローマにおいても行われていた形跡が見つかっています。しかし、近代的なワイン醸造技術の発展に伴い、多くの地域でこの伝統的な手法は廃れていきました。

現代オレンジワインの牽引役、北アドリア海地域

20世紀後半になり、特にイタリアのフリウリ・ヴェネツィア・ジューリア州や、その隣国であるスロベニアのゴリシュカ・ブルダ、ヴィパヴァ、そしてクロアチアのイストラ地方といった北アドリア海沿岸の地域で、この伝統的なスキンコンタクト製法が見直され、再び注目を集めるようになりました。

グラヴネルやラディコンといったパイオニアたちが、このユニークなスタイルのワインを現代に蘇らせ、世界にその存在を知らしめる上で重要な役割を果たしました。

世界に広がるオレンジワイン

北アドリア海地域での成功をきっかけに、瞬く間に世界中のワイン生産者の関心を集めました。

現在では、アメリカ(カリフォルニアなど)やオーストラリアをはじめ、世界中の様々なワイン生産国で、その土地固有のブドウや多様な醸造技術を用いてオレンジワインが意欲的に造られています。

製造方法とナチュラルワインとの関係

現代において、クリアで安定した品質の白ワインを造るには、温度管理が可能なステンレスタンクや遠心分離機、フィルターといった設備、そして厳密なプロセス管理が必要です。

一方、オレンジワインの基本的な造りは、ブドウを潰し、果皮や種などと一緒に容器に入れて発酵させるという、比較的シンプルで人為的な介入を抑えた方法でも行うことが可能です。

ジョージアの伝統的なクヴェヴリでの醸造は、まさにそのシンプルなアプローチの象徴と言えます。

素焼きの大きな壺(クヴェヴリ)の上部を捉えたクローズアップ写真。内側には、醸造中の濃い色の液体が見える。土の質感や、使い込まれた風合いが感じられるオリジナル画角のイメージ

ナチュラルワインとの深いつながり

このように、オレンジワインの製法は、可能な限り自然なアプローチでブドウを栽培し、醸造においても人の手をかけないことを目指す「ナチュラルワイン」の哲学と非常に親和性が高いと言えます。

そのため、多くのナチュラルワイン生産者がオレンジワインを造っており、ナチュラルワインのカテゴリーの中で重要な位置を占めています。

全てがナチュラルではない理由

しかし、ここで明確にしておくべき点があります。

全てのオレンジワインが必ずしもナチュラルワインであるわけではない

ということです。

あくまで「スキンコンタクト」という製造方法によるスタイルの定義であり、ブドウの有機栽培や醸造過程での亜硫酸塩(酸化防止剤)の使用の有無といった、ナチュラルワインの厳密な基準とは異なります。

オレンジワインの多くの魅力(ブドウ本来の風味、テロワールの表現など)は、ナチュラルワインが重視する要素と共通しており

そのため両者はしばしばセットで語られ、ナチュラルワインに関心を持つ人々にとってオレンジワインは非常に魅力的な選択肢となっています。

個性を味わう!オレンジワイン3選を紹介

ここからは、個性豊かな3つのオレンジワインをご紹介します。スキンコンタクトの期間や醸造方法を是非チェックしてください!

【1本目】スキンコンタクトを30%に抑えた飲みやすいタイプ

【2本目】しっかり6ヵ月のクヴェヴリ発酵・熟成

【3本目】イメレティー方式のクヴェヴリワイン

オレンジワインの魅力と多様性

スタイルは千差万別!

3つのワインからもお分かりいただけるように、一口にオレンジワインと言っても、そのスタイルは実に多様です。

スキンコンタクトの期間、使用されるブドウ品種、そして醸造方法(クヴェヴリ、ステンレス、木樽など)によって、色合い、香り、味わい、テクスチャは大きく異なります。

軽やかでフルーティーなものから、複雑でタンニンがしっかりとしたものまで、幅広い個性を持つのが大きな魅力です。

果皮由来のタンニンを持つため、白ワインでありながら赤ワインのように比較的長い熟成に耐えうるポテンシャルを持っています。

フードペアリングに万能

個人的な考えですが、世界で最も万能なフードペアリングワインではないかと思っています。

シャンパン以上に幅広い料理と合わせることができるからです。サラダのような軽いものから、煮込み料理のようなしっかりしたもの

さらにはデザートまで、その多様なスタイルゆえに様々な料理に寄り添うことができます。このフードフレンドリーさも、素晴らしい魅力の一つです。

木製のカウンターに置かれた、琥珀色のオレンジワインと天ぷらの盛り合わせ。エビやシイタケ、カボチャ、シソの葉などの天ぷらが皿に美しく盛り付けられており、和食とワインのペアリングをイメージさせる写真

結論:進化し続けるオレンジワイン

「流行り物」として見られることもあったオレンジワインですが、多くの生産者の探求と技術向上により、その品質は年々高まっています。

アンバーワインという伝統的な呼び名を持つジョージアをはじめ、世界各地で造られるオレンジワインをお楽しみください!

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オレンジワインに関連するよくある質問

白ぶどうでどうして“オレンジ色”になるの?

白ぶどうを果皮や種と一緒に発酵させる“skin-contact”製法によって、色素やタンニンが抽出され、琥珀〜オレンジ色に。赤ワインのように果皮との触れ合い時間で色と風味が深まるスタイルです

オレンジワインはジョージア発祥って本当?

はい。約8,000年前、ジョージアでクヴェヴリ(陶器壺による醸造)が用いられた伝統的な製法が起源で、現代まで受け継がれています

赤ワインとも白ワインとも違う味なの?

はい。タンニンがあるため味わいは赤に近く、色は白に似ているため、独特の食感でエキゾチックな味わいが特徴です

すっごく個性的…食事ペアリング向き?

確かに!カレーやキムチ、ファンキーなチーズなど、強い風味と相性抜群です。社内では中華とのペアリングも推しています。複雑なスパイスと非常によく合います。

オレンジワインは中華料理に合うって本当?

はい。本格中華の複雑な香りやスパイス、油分に対して、オレンジワインのタンニンと旨味が絶妙にマッチします。特に四川や雲南の辛味料理、北京ダックのような濃厚な味わいとも相性が良く、味の輪郭を引き立ててくれます。

麻婆豆腐とオレンジワインって合う?

辛さと痺れ(花椒)の中に、豆鼓や肉味噌の旨味が広がる麻婆豆腐には、果皮由来の渋みと果実味を持つオレンジワインが好相性。辛味を柔らげつつ、スパイス感を引き立てるため、少し冷やしめで合わせるとより美味しくなります。

点心や小籠包には合うの?

繊細な味の蒸し点心には、軽めのオレンジワインがぴったり。ほのかな渋みと柑橘のニュアンスが、肉汁や皮の甘味を邪魔せず引き立てます。小籠包のスープとワインを交互に味わうと、旨味のレイヤーが広がります。

北京ダックにはどんなオレンジワインがいい?

甘辛い甜麺醤と鴨肉の脂の組み合わせには、熟成感のあるオレンジワインがおすすめ。ドライアプリコットやナッツの香りが、肉の旨味とソースの甘味を包み込み、後味を引き締めます。長期スキンコンタクトタイプが特に好相性です。

短いスキンコンタクトと長時間の違いって?

数時間の接触は色や香りに控えめな影響で、短時間の香りづけ。如骨格と渋みを重視するなら数週間~数ヶ月の長期接触で深い色・構造が得られます

期間の違いで味も変わるの?

数日の接触で爽やかさ重視、数ヶ月だとハーブやスパイス、ドライフルーツ、タンニン重厚な味わいに。発酵後も熟成を重ねるとさらなる変化が楽しめます

author
Watanabe Yuki
WEBライター
author https://gwine.store

旅先で出会ったジョージアワインがきっかけで、ナチュラルワインの世界へ🍇ワインと猫が好き/白よりオレンジ派🍊/ゆるくヘルシーに生きたい30代です。