近ごろワイン好きの間でよく耳にする“オレンジワイン”。
そんなオレンジワイン、実はここ最近「スパイス系の料理」や「中華料理」と合わせるのが最高においしい!
オレンジワイン人気、広がってます!
おしゃれなレストランやワインバーでも見かける機会が増えてきました!ほんのり琥珀色で、白ワインなのにどこか紅茶のようなコクや渋みがあって…なんとも不思議な魅力。
しかもその中心にあるのが、ジョージア産のオレンジワイン。
今回は、そんなジョージアのオレンジワインが、なぜスパイス料理や中華料理と驚くほど合うのか?をわかりやすく紐解いていきます!
そもそもオレンジワインってどんなお酒?
見た目は琥珀色、味わいは白ワインでも赤ワインでもない…
オレンジワインは、一言でいうと白ブドウを赤ワインのような作り方で仕込んだワインです。
普通の白ワインは、果汁だけを発酵させますが、オレンジワインは皮や種ごと一緒に発酵する(=スキンコンタクト製法)のが特徴。
この仕込みのおかげで、
- 紅茶のような香りやドライフルーツ感
- 軽やかな渋み(タンニン)
- コクと旨味
といった、料理と合わせやすい“奥行きのある味になるわけです。
色がオレンジなのは、ブドウの皮の色素や成分が溶け込んでいるから。“白でも赤でもロゼでもない、第四のカテゴリー”と呼ばれる所以です。
ジョージアのオレンジワインが“別格”な理由
ジョージア産が特に評価されるポイントは、なんといっても独特の醸造方法。
- クヴェヴリ(素焼きの壺)を地中に埋めて発酵・熟成
- 皮や種、時には茎まで丸ごと漬け込む
- 半年〜1年と“じっくり”熟成させる
という、とても原始的でワイルドな製法を今も守り続けています。
その結果できあがるオレンジワインは…
- ハーブや紅茶、スパイスを思わせる“深い香り”
- 旨味とコクがぎゅっと詰まった“骨太な飲みごたえ”
- でも酸がきれいで“食事と寄り添うバランス感”
だからこそ、香り豊かなスパイス料理やパワフルな中華ともしっかり渡り合える。これが、「ジョージアのオレンジワインが今アジア料理界隈で熱視線を浴びている」理由なんです。

スパイス料理と“相思相愛”な3つの理由
ジョージアのオレンジワインが、カレーやエスニック、中華などスパイスを使った料理と抜群に合うのは偶然ではありません。
その相性の良さには、ちゃんと理由があります。
✅香りの“格”が釣り合う
オレンジワインには、紅茶・ハーブ・杏・クローブのような香りの層が何段にも重なった複雑さがあります。だからこそ、クミンやシナモン、花椒のような香り立ちの強いスパイス料理とも香りがケンカせず、むしろ調和するんです。
✅渋みと酸が“油&辛み”をリセット
スパイス料理は、油っこさ・辛さが強いものも多いですよね。オレンジワインは白ワインよりしっかりしたタンニン(渋み)と酸があるので、口の中をさっぱり整えてくれるクレンジング効果が。次のひと口をまた美味しく感じさせてくれます。
✅発酵×発酵の“旨味の共鳴”が起こる
豆板醤・テンメンジャン・魚醤…スパイス料理には意外と“発酵調味料”が使われています。ジョージアワイン特有のクヴェヴリ発酵による旨味・まろやかさが、そういった発酵調味料の持つ旨味と共鳴してより奥行きのあるマリアージュになるのです。

どんなスパイスと合う?タイプ別に読み解く
スパイスと一口に言っても、その香りやキャラクターはさまざま。
オレンジワインは“香りの層が豊か”だからこそ、スパイスの種類によって違ったマリアージュが楽しめるのも魅力です。
ここでは、代表的なスパイスを3つのタイプに分けて見ていきましょう。
🌶温かみ系スパイス
(シナモン/クローブ/八角 など)
- 甘くエキゾチックで、ホットワインにも使われるような温度感のある香り
- ジョージアのオレンジワインには、干し杏・紅茶・蜂蜜のような落ち着いたニュアンス
- 温かみ系スパイスと香りの方向性がピッタリ重なります
- スパイスが引き立ち、ワインも丸く感じられる。やさしいマリアージュ
🌶清涼感・痺れ系スパイス
(カルダモン/花椒/山椒 など)
- 華やかで爽快な香りや、舌にピリッとくる刺激が特徴のスパイス
- ワインの酸味や渋みが“後味のキレ”を生む
- しびれる辛味や爽やかな香りをよりフレッシュに感じさせてくれる
- 香り+刺激が重層的に広がる、心地よいコントラスト型ペアリング。
🌶香ばし系スパイス
(クミン/コリアンダー/フェンネル など)
- ローストしたような香りやナッツっぽさを持つスパイス
- ジョージアワインは甕(クヴェヴリ)でじっくり発酵&熟成されることで、ほんのり香ばしいような旨味や厚みが加わっています
- 香ばしスパイスと合わさると、料理・ワインともに深みが増し、より立体感のある味わいに
このように、スパイスの個性別に合わせていくと、ジョージアオレンジの懐の深さがより感じられるはずです。

スパイスの“辛味・香り・旨味”に、オレンジワインがどう寄り添うのか?
スパイス料理がなぜグラスを進ませるのか
それは単なる「辛いから」ではなく、辛味・香り・発酵由来の味わいが複雑に絡み合っているから。ジョージアのオレンジワインは、この複雑さを整理しながら高める能力に長けています。
ここでは、代表的なスパイスの味覚的キャラクターに対して、ワインがどう作用するのかを見ていきましょう。
💡辛味(チリ・胡椒・花椒など)
→ 酸と渋みで「整える」
チリ由来のヒリヒリする辛さ、山椒や花椒のビリっとした痺れ系の辛さは、油と結びつくことで長く後を引くのが特徴です。
- オレンジワインの高めの酸 → 辛味で疲れた口を洗い流すリフレッシュ効果
- 軽いタンニン(渋み) → 舌の表面を引き締め、辛味の暴れを引き締める役割
→ 酸×渋が辛味を整え、“次の一口目もおいしく感じさせる”ので食べ進めやすくなります。
💡香り系スパイス(カルダモン、クローブ、八角など)
→ 同調と引き立て
香り高いスパイスの場合、辛味よりも香りの華やかさや立体感が主役。ジョージア・オレンジは紅茶やドライフルーツ系の香りを持つため、香り同士の重なりによって料理・ワイン双方がより華やかに。
さらに、発酵に由来する旨味ある厚みのあるボディが、香りのインパクトを受け止め、ベースとして支えてくれます。
💡発酵+スパイス(豆板醤・坦々胡麻・カレー系)
→ 旨辛を“昇華”させる
スパイスは単体というよりも、発酵調味料や油脂と組み合わさった旨辛味として登場することが多いですよね。ジョージアオレンジは、クヴェヴリ発酵ならではのだし系の旨味感を持っているため、そこに共鳴が生まれます。
- 辛味 → 渋み・酸が整える
- 旨味 → 同調してふくらませる
- 香り → アロマが寄り添う
→ この三位一体で、料理に深みを加えるペアリング効果が最大化されるというわけです。
中華料理とオレンジワイン、実は最高の相性だった!
中華料理は「油」「辛味」「香り」「旨味」のバランスで成立している料理。
そこにジョージアのオレンジワインを合わせると、料理にはない渋み・酸・香りの層が加わり、驚くほどピタッとはまります。
ここでは、代表的な中華メニュー別におすすめポイントを見てみましょう。

🍴四川系(麻婆豆腐・辣子鶏・火鍋など)
花椒の痺れ+豆板醤の旨辛+ラー油の油脂
→ オレンジワインの酸と渋みが油をリセットし、旨味感が辛さとうまく架け橋に。痺辛の余韻を引き締め、食欲を後押ししてくれます。

🍴広東系(酢豚・叉焼・八角煮込みなど)
フルーティーな甘さや香り、醤油・黒酢由来の旨味
→ オレンジワインのドライフルーツのような香りと丸みのある渋みがまさに好相性。甘酸っぱい味付けや五香粉とも香りがリンクして、華やかなマリアージュに。

🍴点心・揚げ物系(春巻き・焼売・油淋鶏など)
カリッと揚げた皮、ジューシーな肉や海鮮の旨味
→ タンニンが油を切りつつ、ワインのコクが料理の旨味を底上げ。特に茶葉のような香りを持つワインは、春巻きや焼売との組み合わせが抜群です。

🍴辛香菜たっぷり系(香菜餃子・よだれ鶏など)
パクチーや香菜の青い香り+唐辛子のピリ辛
→ フレッシュ系のオレンジワイン(酸高めタイプ)を選ぶと、香味野菜との相乗効果◎。爽やか&スパイシーな組み合わせで、ワインが止まらなくなります。
中華にワイン?と思われがちですが、骨太で香り豊かなジョージアオレンジだからこそ成立するペアリング。
ぜひ「餃子×ビール」感覚で、「麻婆豆腐×オレンジワイン」を試してみてほしい組み合わせです。
どのオレンジワインを選べばいい?失敗しないポイント
一口に「ジョージアのオレンジワイン」と言っても、造り手やブドウ品種によって味わいはさまざま。中華やスパイス料理と合わせたいときは、以下の3つの押させるべきポイント!
👉ブドウ品種でざっくり味のタイプをつかむ
品種 | 味わい傾向 | おすすめ料理 |
ルカツィテリ | 爽やか・酸高め・紅茶っぽい香り | よだれ鶏・餃子など軽めの中華 |
キシ | 柑橘・スパイス感・骨太なボディ | 麻婆豆腐・火鍋などしっかり辛い系 |
クラフナ | 落ち着いたコク・ドライフルーツ香 | 酢豚・角煮など甘辛系 |
👉熟成方法から選ぶ際のポイント
- クヴェブリ熟成:綺麗なオレンジ、琥珀色。香りが個性的、酸しっかり → スパイシーな料理に◎
- ステンレス熟成:透き通った琥珀色(イエローより)、味わいがまとまりスムース → 中華全般に寄り添いやすい万能タイプ
👉サーブ温度&グラスで“マリアージュ力”が変わる!
- よく冷やしてOK(8〜10℃) → 辛味・痺れをさっぱり食べたい時
- 少し温度を上げて(12〜14℃) → コクを出して旨辛料理に寄り添わせたい時
「何を選んだらいいか迷ったら…?」
そんな時はルカツィテリかキシを選んでおけば、中華&スパイス料理入門にはほぼ外れなし!
エスニック料理と合わせても最高!
ジョージアのオレンジワインは、中華だけでなくタイ・ベトナム・インドネシアなどのエスニック料理とも相性抜群。
ハーブ・スパイス・発酵食品を多用するエスニックこそ、オレンジワインの香り・タンニン・旨味の三拍子が大活躍します。
料理ジャンル | 料理例 | 合うワインタイプ | 相性の理由 |
タイ | ガパオ・グリーンカレー | ルカツィテリ(スッキリ酸高め) | バジル・レモングラスの香りと寄り添う |
ベトナム | 生春巻き・フォー | ナチュラル系軽めオレンジ | ハーブ&魚醤の旨味を引き立てる |
インド | タンドリーチキン・カレー | キシやクラフナ(骨太タイプ) | スパイス&乳製品の濃厚さを支えるボディ感 |
パクチー×オレンジワインは鉄板!
爽やかさと渋みが、香草たっぷりのアジアン料理をよりクセになる味に仕上げてくれます。
まとめ:オレンジワインはスパイスに万能ワインである
- スキンコンタクト仕込みによる香り・渋み・コクの三層構造
- クヴェヴリ発酵が生むだしのような旨味
- 香りの強いスパイスや、油・発酵調味料を使う料理にも負けない骨太な存在感
これらすべてが揃うジョージアのオレンジワインは、「スパイス料理」「中華」「エスニック」といったジャンルにぴったり寄り添う万能型のワインです。
ぜひ、ジョージアのオレンジワインで、スパイス料理の新しい楽しみ方を見つけてみてください!
なぜジョージアのオレンジワインは中華料理に合うの?
オレンジワインは其の豊かなタンニンと酸味に加え、乾燥アプリコットやスパイスの香りが特徴。四川料理や五香粉を使った一皿の複雑なスパイス感に調和し、旨味を引き立てる絶妙なペアリングになります
麻婆豆腐にはどんなオレンジワインが合う?
花椒や香味野菜の刺激には、キシやルカツィテリのタンニン控えめなスタイルがおすすめ。程よい酸味と果実味が辛味と山椒の痺れを柔らげ、スパイスの旨味と調和します
中華おつまみの水餃子には?
蒸し点心の繊細な旨味には、軽めのオレンジワイン(短スキンコンタクト)がぴったり。ほのかな琥珀色と穏やかな渋みが皮の滑らかさや餡の旨味にあたらしく彩りを添えます
甜麵醬や酢豚など甘辛ソースの料理には?
酸と果実の輪郭がしっかりしたオレンジワインが最適。酢豚の甘酸っぱさや強い香味とぶつからず、味に奥行きを出しながら引き立てる効果があります
中華風揚げ物(春巻・唐揚げ)にはどのスタイル?
しっかりしたボディのオレンジワインは、揚げ物の油と相性ばつぐん。余韻に残るスパイス感が口中をすっきりさせ、料理の脂っぽさも軽やかに楽しめます
オレンジワインが中華スパイスを“和らげる”って?
インの酸味が香辛料の刺激をやわらげ、果皮のタンニンが複雑な香りに合いながら味の輪郭を整えます。旨味と香りの調和を楽しめるのが魅力です
初めてならどんな中華ペアリングから試すべき?
軽めのルカツィテリやKisiのオレンジワインで、まずは青菜炒めや蒸し点心など、風味が繊細な料理との組み合わせからトライするのが入り口としておすすめです