ジョージアワイン【完全版】入門におすすめ|5分で解説

少し歴史の話もしますが、堅苦しい教科書みたいにはしません。 およそ5分で読み終わり、ジョージアワインの知識を網羅できます!

「ワインに詳しい友だちとカフェでおしゃべりしてたら、つい一本飲みたくなっちゃった」くらいの軽さで進めていきます。  

この記事でわかること(ざっくり3ポイント)

  • ジョージアワインの歴史と文化のキホン
  • クヴェヴリ製法や土着品種の魅力
  • シーン別・気分別のおすすめの選び方&飲み方

読むとどんな良いことがある?

  • ワインショップで「これ、ジョージアなんです」と勧められても困らない
  • 家飲みがちょっと冒険的で個性的になる
  • ジョージアのオレンジワインと食事を合わせたくなる

そもそもジョージアってどんな国?

「ジョージア」って聞くと

コーヒーの缶かアメリカの州を思い浮かべちゃう人、多いんじゃないでしょうか。でも今回の主役は、そのどちらでもなく——黒海とカスピ海のあいだ、コーカサス山脈のふもとにある小さな国です。

面積は北海道よりちょっと大きいくらい。でもワインにかける情熱は地球規模!

地図でざっくり位置チェック

地図を見てみると、ジョージアは西に黒海、北にロシア、南にトルコ・アルメニア・アゼルバイジャンと隣り合わせ。

この立地がワイン造りにはめちゃくちゃ重要。

黒海からの湿った風と、大コーカサス山脈からの冷たい空気がぶどう畑をほどよく冷やし、昼夜の寒暖差もつくってくれるんです。そのおかげで、酸と糖度のバランスが絶妙なぶどうが育つんですね。

暮らしにワインが溶け込んでいる国

ジョージアの人たちにとって、ワインは“特別な日の贅沢品”じゃなくて

生活の一部 

田舎では庭や裏の畑にぶどうがなっていて、秋の収穫時期になると家族総出でワイン造り。この家庭ワイン、現地では「マラニ(Marani)」と呼ばれる地下蔵や物置みたいな場所で造られることも多くて、来客があると「ちょっと飲んでいきなよ」と気前よくふるまわれます。

しかも国レベルでワインを大事にしていて、「ワイン庁」という専門の機関まであるんですよ。もう本気度が違います。

ワインと宗教の不思議な距離感

ジョージア正教の教会や修道院でも、古くからワインは大切な役割を担ってきました。

儀式で使われるのはもちろん、修道院の中にぶどう畑やクヴェヴリがあったりして、信仰とワインがセットで存在しているんです。ワインを飲むことは、単なる嗜好品というより“文化を味わう”ことに近い感覚なんですよね。

こうやって見ると、ジョージアは単なる「ワインの生産国」というより、国全体がワインに育まれてきた場所なんです。

次は、その歴史をちょっとのぞいてみましょう。

🗺 ミニ地図でわかる!ジョージアのざっくり位置関係

誌面なら図を入れたいところですが、文章でイメージ!


ロシア
▲▲▲コーカサス山脈▲▲▲

↓冷たい空気

-----ジョージア共和国-----

↑湿った海風

黒海 
トルコ/アルメニア/アゼルバイジャン


  • 西:黒海(温暖な湿気と風)
  • 北:ロシア(冷涼な山脈)
  • 南:トルコ&アルメニア(文化交流も盛ん)
  • 東:アゼルバイジャン(大陸的な気候)

この“海と山のサンドイッチ構造”が、ジョージアぶどうの風味の秘密。温かさと冷涼さ、乾燥と湿潤のバランスが絶妙で、まさに天然のワイン熟成ルーム!

左側に広がる青い海と空、水平線上にうっすらと見える陸地、そして前景の海面に「Black Sea」の白い文字が配置されています。右側には、雪を抱く山頂と緑の木々が生い茂る山腹が広がり、前景には「Caucasus Mountains」の白い文字が配置されています。左右の画像は中央で区切られ、対比を示しています

コラム:ジョージア人はワインで「乾杯」じゃなくて…

ジョージアで乾杯するときは

「ガウマルジョス!(Gaumarjos!)」

と声を合わせます。

意味は「勝利を!」や「健康を!」というニュアンス。

しかも乾杯の前後には「タマダ」と呼ばれる乾杯リーダーが、その場のテーマに沿って長〜いトースト(スピーチ)をするのが定番。

初めて参加すると「え、これいつ飲めるの…?」とちょっと焦りますが、これが現地では最高のもてなし。ワインを飲む=おしゃべりと感謝を共有する時間、という文化が根づいているんです。

モダンな家で6人の若い男女がワイングラスを掲げて乾杯している様子。テーブルにはワインや軽食が並び、皆が笑顔で「ガーマルジョス(ジョージア語の乾杯)」を楽しんでいる瞬間。

8000年のワイン史&ユネスコ無形文化遺産になった“つくり方”

世界最古級のルーツ

「ワインの歴史はフランスで始まったんでしょ?」

と信じていた私たちに衝撃の事実。

実は、今のジョージア周辺で約8000年前のぶどうの種やワイン成分を含む土器の破片が見つかっていて、「ここがワイン造りの起源のひとつでは?」と考えられているんです。

8000年ってもう、文明史の教科書に出てくる“人類が農業を始めた頃”レベル。

つまり、ワインはほぼ人類と同い年…いや、もはや人生の相棒みたいな存在だったわけです。

クヴェヴリ製法の誕生と進化

ジョージアの伝統的なワイン造りといえば、

やっぱり「クヴェヴリ製法」

クヴェヴリ(Qvevri)とは、卵型の大きな甕で、内側に蜜蝋を塗って防水・抗菌性を高めたもの。これを地中に埋めて、ぶどうを果皮・種・梗ごと入れて発酵・熟成させます。地中は温度が安定しているので、自然の冷蔵庫のように使えるんですね。

この造り方は何千年も前から受け継がれてきて、今も家庭や一部のワイナリーで現役。

2013年には、ユネスコ無形文化遺産にも登録されました。登録の理由は「技術」だけじゃなく、家族やコミュニティで一緒に仕込む“文化的な営み”まで含めて評価されたから。

つまり、クヴェヴリは単なる容器じゃなくて、“人と人をつなぐ甕”でもあるわけです。

オレンジワインの「誤解」

クヴェヴリ製法で白ぶどうを仕込むと、果皮や種から色素やタンニンが抽出されて、きれいな琥珀色(アンバー色)になります。

これがいわゆる

「オレンジワイン」

日本では「ジョージア=オレンジワインの国」というイメージが強いですが、実は生産全体のうちクヴェヴリ仕込みはごく一部(数%〜約1割)。

多くはステンレスや樽を使ったモダンなワイン造りなんです。だから、もし“渋みや個性が強そう”と敬遠していたなら、それはもったいない誤解かも。

近代と伝統の共存

ソ連時代には大量生産の時代もありましたが、1990年代以降は小規模ワイナリーや自然派志向の生産者が増加。

今では、クヴェヴリと近代醸造、そしてその中間のスタイルまで幅広くそろっていて、まるで「全方位に優しいワイン大国」。しかも輸出向けに味わいを調整したタイプもあり、日本人の口に合うものも年々増えてきています。

キーワード早わかり表:クヴェヴリ|オレンジ(アンバー)|ステンレス|樽

ワインの製法を3つのパネルで解説するアニメーション風のイラスト。左は地中に埋められた伝統的なクヴェヴリ(粘土の壺)での製法、中央は近代的なステンレス製タンクでの製法、右は木樽でワインを熟成させる方法が描かれている

ジョージアワインの世界、名前や造り方の専門用語が出てくると、なんだか一気に“上級者ゾーン”に突入した気分になりません?

でも大丈夫。ここでは代表的なキーワードをざっくり一言+特徴でまとめました。

クヴェヴリ、オレンジ(アンバー)、ステンレス、そして樽。それぞれの造り方や味の傾向を比べてみると、「これ、私好きかも」がきっと見えてきます。

では、いざワインの個性をのぞき見しましょう🍷

項目 クヴェヴリ(Qvevri) オレンジ(アンバー)ワイン ステンレスタンク 樽(オークバレル)
何か一言で 地中に埋める卵型の甕 白ぶどうで造る琥珀色ワイン 近代的な金属タンク 木の香りを移す熟成樽
造り方の特徴 果皮・種・梗ごと甕に入れて発酵・熟成。内側に蜜蝋コート。 白ぶどうを果皮・種・梗ごと仕込み、色とタンニンを引き出す。 ステンレスで温度管理しながら発酵。酸化しにくい。 オーク樽で熟成し、酸素と微妙に触れさせながら風味付け。
味わいの傾向 香り濃厚、渋みしっかり、ハーブ&スパイス感。土の温かみ。 赤ワイン的渋み+白ワイン的酸味。ドライフルーツやナッツ感。 フレッシュ&クリーン。果実味がダイレクト。 バニラやナッツ、トースト香。まろやかな口当たり。
色の印象 アンバー〜濃い金色(赤は深みのあるルビー) アンバー(琥珀色) 透明感のある白/明るい赤 黄金色〜淡い琥珀色、赤はやや茶色がかったルビー
飲みやすさ 個性強め。慣れるとやみつき。 初めてだと渋みにびっくり。でもハマる人続出。 初心者でも安心。飲み慣れた味。 樽香好きには天国。好み分かれることも。
向く料理 肉の煮込み、スパイス料理、発酵食品 チーズ、燻製、ナッツ、根菜料理 魚介、サラダ、軽いパスタ ロースト肉、バターやチーズのコクある料理
雰囲気の例え 田舎の薪ストーブ前で飲む感じ 山小屋での夕暮れワイン 海辺のカフェで昼飲み 暖炉のある洋館でしっとり

まずはここから!ジョージアワインの“推し”土着品種ガイド

ジョージアには500種類以上の土着品種があるといわれていますが、全部覚える必要はナシ。まずは「これだけ押さえればOK!」という定番&推し品種を、白〜オレンジ系と赤系に分けてご紹介します。


ジョージアワインの白ブドウ品種

🍇 ルカツィテリ(Rkatsiteli)

  • 味わい:柑橘や青りんごの爽やかさ+クヴェヴリ仕込みだと渋みと厚みがプラス。
  • 合う料理:鶏の塩焼き、白身魚のカルパッチョ、浅漬け。

🍇 ムツヴァネ(Mtsvane)

  • 味わい:白桃やドライアプリコット、ハーブのニュアンス。酸は穏やかでやわらか。
  • 合う料理:生春巻き、カプレーゼ、香草サラダ。

🍇 ヒフヴィ(Khikhvi)

  • 味わい:花の香り、黄桃、蜂蜜のような甘やかさ。酸がやさしく、バランス良好。
  • 合う料理:蒸し野菜、焼きなす、クリームチーズ。

ジョージアワインの黒ブドウ品種

🍇 サペラヴィ(Saperavi)

  • 味わい:ベリー系果実の濃厚さと、きりっとした酸、しっかりした渋み。熟成でさらに複雑に。
  • 合う料理:ビーフシチュー、ラムチョップ、チーズの盛り合わせ。

🍇 その他の注目株

  • アレクサンドルリ(Aleksandrouli)&ムジュレトゥリ(Mujuretuli):軽やかでベリー感豊富、チャーミングな赤。
  • ウサヘラウリ(Usakhelauri):希少な甘口赤。デザートワインとしておすすめ。

💡ワンポイント:品種+仕込みで味が変わる

同じルカツィテリでも、クヴェヴリ仕込みだと渋み・香りがアップ、ステンレス仕込みだとフレッシュ&クリーンに。

「この品種のこの仕込み方が好き」という組み合わせを見つけると、ジョージアワインの楽しみ方が一気に広がります。

産地ざっくり俯瞰:東のカヘティ、西のイメレティ(まずはここ押さえればOK)

ジョージアの主要なワイン産地を示した地図。東側の「カヘティ」と西側の「イメレティ」が色分けされ、それぞれの位置関係や広さが一目でわかるようになっている。

ジョージアのワイン産地は大きく分けて

東側の「カヘティ」

西側の「イメレティ」

が二大勢力。
もちろん他にも小さな産地はありますが、まずはこの2つを押さえれば十分“会話できるレベル”になれます。


東の王道:カヘティ(Kakheti)

  • ジョージアワインの約70%を生産する最大の産地。
  • 気候は比較的乾燥していて日照もたっぷり。昼夜の寒暖差が大きく、糖度と酸のバランスが良いぶどうが育ちます。
  • クヴェヴリ製法が特に根強く、**ルカツィテリ(白)やサペラヴィ(赤)**の本拠地。
  • ワインの味わいは骨格がしっかりしていて、香りも豊か。熟成にも耐えるタイプが多いです。
  • ラベルに「Kakheti」とあれば、まず間違いない安定感。

西のやさしさ:イメレティ(Imereti)

  • 黒海に近く、湿度がやや高めで温暖。
  • 醸造方法はカヘティほど長期間の果皮接触をしないことが多く、軽やかでフレッシュな味わいが特徴。
  • ツィツカ(Tsolikouri)やツォリコウリなどの白品種が有名。赤もありますが、全体的に飲みやすいライトスタイル。
  • 家庭醸造の文化も盛んで、やさしい口当たりのワインが多いのも魅力。
  • 「Imereti」表記を見つけたら、軽めで食中に合わせやすい一本の可能性大。

東西の違いざっくり比較表

項目 カヘティ(東) イメレティ(西)
気候 乾燥・寒暖差大 温暖・湿度やや高め
主な品種 ルカツィテリ(白)、サペラヴィ(赤) ツィツカ、ツォリコウリ(白)
味わい傾向 力強く、香り豊か、熟成向き 軽やか、フレッシュ、食中向き
醸造スタイル クヴェヴリ長期熟成多め 果皮接触期間短め、軽やか
イメージ 姉貴分的存在 気さくな友達

💡ワンポイント

スーパーやワインショップでジョージアワインを選ぶとき、産地名をチェックするだけで味の方向性がかなり予測できます。

「今日は力強いのが飲みたい」ならカヘティ、「軽めで食事に合わせたい」ならイメレティ、と覚えておくと便利。

“今日の気分で”選べる!テイストチャート&ラベル読み解き

テイストチャートでざっくり方向性を決める

ワイン選びは恋人選びと同じ——見た目や第一印象も大事ですが、相性は味わってみないとわかりません。

でも、事前に「甘いのがいい」「渋いのは苦手」みたいな自己分析をしておくと、出会いの成功率はアップします。

ここでは、ジョージアワインを甘辛・渋み・ボリューム感の3軸でざっくりマッピング。


甘口寄り/軽め

  • ウサヘラウリ(甘口赤)
  • ツォリコウリ(白・ステンレス仕込み)

中間(やや辛口/中ボディ)

  • ヒフヴィ(白・やさしい酸味)
  • ムツヴァネ(白・華やか香り)

辛口寄り/しっかりボディ

  • ルカツィテリ(クヴェヴリ仕込み)
  • サペラヴィ(赤・骨格しっかり)

ラベルの読み解き方

ジョージアワインは、ラベルの情報をちょっと読むだけで味の方向性を予想できます。

難しそうに見えて、実はポイントは3つだけ。自分の好みのゾーンを探してみてください!


品種名例  

  • Rkatsiteli(ルカツィテリ)Saperavi(サペラヴィ)など。
  • これが分かれば味の骨格が見えてきます

醸造法のキーワード

  • Qvevri(クヴェヴリ):伝統製法でしっかりめ
  • Amber Wine(アンバー)/Orange Wine(オレンジ):白ぶどうを果皮ごと発酵
  • Stainless Steel:フレッシュで軽やか  

産地名(PDO表記)

  •  Kakheti(カヘティ):力強い
  • Imereti(イメレティ):軽やか  

💡ちょっとしたポイント

  • 「Amber」「Qvevri」の両方がラベルにあれば、ほぼ確実に“しっかり渋み系”
  • 甘口好きなら「Semi Sweet」や「Semi Dry」表示を探すと吉

ゼッタイ外さないジョージアワインのフードペアリング

木製のカウンターに置かれた、琥珀色のオレンジワインと天ぷらの盛り合わせ。エビやシイタケ、カボチャ、シソの葉などの天ぷらが皿に美しく盛り付けられており、和食とワインのペアリングをイメージさせる写真

ワインと料理の組み合わせは、恋愛の相性みたいなもの。

「見た目は素敵だったのに、一緒にいてなんか違った…」なんてこともあれば、意外な相手と驚くほどしっくり来ることも。

ジョージアワインは、その“意外な相性”の宝庫です。


和食×ジョージアワイン

  • ルカツィテリ(ステンレス仕込み) × 白身魚の塩焼き
    柑橘のような酸味が魚の旨みを引き立てて、レモン代わりに。
  • ヒフヴィ(クヴェヴリ) × 鶏の照り焼き
    まろやかな甘みとスパイス感が、照り焼きのタレと絶妙マッチ。

💡出汁や醤油の旨味と、ワインの果実味がかけ合わさると、一気にお店の味に格上げされます。


スパイス&エスニック×ジョージアワイン

  • ムツヴァネ(クヴェヴリ) × グリーンカレー
     ハーブ香とスパイスの辛みが共鳴して、後味がスッとまとまる。
  • サペラヴィ(赤) × ケバブやスパイシーラム
    ベリー系の果実味が、肉の香ばしさとスパイスの刺激をまろやかに包む。

💡ジョージアはシルクロードの交差点だったため、スパイスとの相性が歴史的に抜群。


家飲みおつまみBEST×ジョージアワイン

  • コンビニの燻製たまご × オレンジワイン(ルカツィテリ・クヴェヴリ)
  • ポテサラ+黒胡椒多め × ヒフヴィ(ステンレス)
  • バゲット+ブルーチーズ × サペラヴィ(赤)

💡無理に特別な料理を作らなくても、日常おつまみに“ちょい足しアレンジ”でワインに寄せられます。


クヴェヴリとステンレス、ペアリングのコツのちがい

  • クヴェヴリ
    旨味&渋みがしっかり→煮込みや発酵食品、燻製など“味が濃い”ものと
  • ステンレス
    フレッシュで酸味主体→刺身やサラダなど“繊細な味”のものと

スパイス料理&中華料理 × オレンジワイン特集

オレンジワインは「渋みと旨味がしっかり」「香りに奥行き」という特徴から、スパイスや中華料理との相性が驚くほど良いんです。

白ワインほど軽すぎず、赤ワインほど重すぎない

まさに “架け橋的存在”

ここでは、ジョージアのオレンジワイン(特にクヴェヴリ仕込み)を、スパイス料理と中華料理にピタッと合わせるコツをご紹介します。

オレンジワインとスパイス料理のおすすめペアリング3選

スパイス料理と組み合わせると“魔法のマリアージュ”が起こるんです。

ハーブ香が広がるグリーンカレー、スモーキーなタンドリーチキン、クミン香るラムチョップ…。どれも、ジョージアの個性派ぶどうと出会うことで、食卓がぐっとエキゾチックに。

おすすめの3組み合わせをご紹介します


グリーンカレー × ムツヴァネ(クヴェヴリ)

  • 理由:ムツヴァネ特有のハーブ香が、レモングラスやバジルと同調。渋みがココナッツミルクのまったり感を引き締める。
  • ワンポイント:辛さ控えめのレシピなら、ワインの香りがより引き立つ。

タンドリーチキン × ルカツィテリ(クヴェヴリ)

  • 理由:スモーキーな香りとスパイスの複雑さに、ルカツィテリのボディ感と渋みがぴたり。
  • ワンポイント:ヨーグルトの酸味とワインの酸味がリンクして、後味が軽やかに。

クミン香るラムチョップ × サペラヴィ(赤ワインもご紹介)

  • 理由:肉の旨味を包み込みつつ、クミンやコリアンダーの香りを引き立てる。
  • ワンポイント:脂の多い部位なら、やや冷やして飲むとバランスUP。

オレンワインと中華料理のおすすめペアリング3選

中華料理とワイン?ちょっと意外かもしれませんが、オレンジワインならその壁を軽々と越えてくれます。

中華料理の麻婆豆腐と、ブルゴーニュグラスに注がれた琥珀色のオレンジワインのペアリングを写した写真。テーブルに置かれた麻婆豆腐の皿とワイングラスが手前に配置され、奥は暖色系の照明でぼかされている

花椒のしびれ、黒酢の甘酸っぱさ、肉汁あふれる小籠包

これらの濃厚な旨味や香りに、ジョージアの個性派ぶどうが見事に寄り添うんです。今日は、家庭でも試せる絶品ペアリング3選をご紹介。中華ナイトが、ぐっと華やかになります。


麻婆豆腐(中辛〜辛口) × ルカツィテリ(クヴェヴリ)

  • 理由:花椒のしびれ感と渋みが共鳴、豆鼓や発酵調味料の旨味をワインが底上げ。
  • ワンポイント:辛さが強い場合は、冷やし気味にして清涼感を足す。

黒酢酢豚 × ヒフヴィ(クヴェヴリ)

  • 理由:黒酢の甘酸っぱさに、ヒフヴィの蜂蜜感と酸味がベストマッチ。
  • ワンポイント:パイナップル入り酢豚なら、果実感の相乗効果も楽しめる。

小籠包 × ムツヴァネ(アンバー)

  • 理由:スープの旨味を受け止めつつ、皮の小麦感と渋みがなじむ。
  • ワンポイント:しょうがの薬味が、ワインのハーブ香とリンク。

✅ジョージアワインのペアリングのコツまとめ

  • 香り合わせ:ワインと料理で同系統の香り(ハーブ、スパイス、発酵)を見つける。
  • 旨味リンク:豆板醤、黒酢、発酵調味料はオレンジワインの旨味と相性◎。
  • 温度調整:辛さや脂が強い料理は、少し冷やすとバランスが取れる。

スパイス料理&中華 × オレンジワイン マリアージュ早見表🍷

料理 おすすめ品種(仕込み) 味わいの相性ポイント
グリーンカレー ムツヴァネ(クヴェヴリ) ハーブ香がバジルやレモングラスとリンク、渋みがココナッツミルクを引き締める
タンドリーチキン ルカツィテリ(クヴェヴリ) スパイスとスモーキー感に、骨格のあるボディと酸味がマッチ
クミン香るラムチョップ サペラヴィ(アンバー仕立て) 肉の旨味とスパイスを果実味で包み込む、冷やし飲みも◎
麻婆豆腐(中〜辛口) ルカツィテリ(クヴェヴリ) 花椒のしびれと渋みが共鳴、発酵調味料の旨味を底上げ
黒酢酢豚 ヒフヴィ(クヴェヴリ) 黒酢の甘酸っぱさと蜂蜜感、酸味の調和
小籠包 ムツヴァネ(アンバー) スープの旨味と皮の小麦感を渋みが受け止め、しょうが香とリンク

ジョージアワインはどこで買える?いくらで楽しめる?

ジョージアワインは、実は思っているよりも身近で、しかも価格帯の幅も広いんです。

「特別な日にだけ開ける高級ワイン」から、「今日はちょっと気分を変えたい平日ワイン」まで、ちゃんと選べます。


① 平日用の“ちょっとごほうび”ワイン(2,000〜3,000円)

  • 特徴:軽やかで飲みやすいステンレス仕込みや、クセ控えめなアンバー。
  • おすすめシーン:仕事終わりにさらっと一杯。
  • 例:Artizani, Mtsvane Rkatsiteli 20222, ORANGE AFFAIR
  • 買い方:Amazon・楽天なら即日配送、スーパーのワイン売場やKALDIでも偶然出会えることも。

② 週末の“しっかり楽しむ”ワイン(3,000〜5,000円)

  • 特徴:クヴェヴリ長期熟成タイプや希少品種を使った、香りや渋みが複雑なタイプ。
  • おすすめシーン:週末のディナー、ゆったり読書や映画と。
  • 例:Tiko Estate, Orange Kisi 2022
  • 買い方:専門オンラインショップ(Corusus、ジョージアワイン輸入協会公式)で品種や産地を指定して探す。

③ 記念日・ギフト用プレミアム(5,000円〜)

  • 特徴:単一畑、長期熟成、限定醸造など、造り手のこだわりが詰まった1本。
  • おすすめシーン:誕生日、結婚記念日、ホームパーティの手土産。
  • 例:Binekhi, Rkatsiteli Qvevri 2016, Premium Reserve
  • 買い方:百貨店ワイン売場、エノテカ、限定輸入店。ギフト包装も可能。

ジョージア、現地の今を知る

ジョージアワインを飲みながら、ふとラベルに描かれた地名や景色に惹かれたことはありませんか?

「現地ってどんなところなんだろう…」と興味が湧いたら、あなたはもう“ジョージアワイン沼”の入り口に立っています。


ワインの首都「カヘティ地方」

  • ジョージア最大のワイン産地で、首都トビリシから車で2〜3時間。
  • ぶどう畑の中に民宿(ゲストハウス)が点在し、オーナー自家製ワインを楽しめる。
  • 秋の収穫期には「Rtveli(ルツヴェリ)」というぶどう収穫祭が行われ、参加者は足でぶどうを踏む体験も。

若手醸造家の台頭

  • ソ連時代に大量生産が主流だった反動で、2000年代以降は小規模ワイナリーが急増。
  • 若い造り手は伝統的なクヴェヴリ製法を守りつつ、ステンレスや樽のハイブリッド仕込みにも挑戦中。
  • 海外コンクールで受賞する銘柄も増え、国際的な評価が急上昇中。

観光とワインがセットに

  • ワインツーリズムが盛んで、ツアーには試飲・畑見学・家庭料理体験がセット。
  • 現地ではジョージア語で「ガウマルジョス!(乾杯!)」を連呼する“スプラ”という宴会文化があり、何度も乾杯するのが基本。
  • 一度行けば、ただの「産地」ではなく「友達の家」に遊びに行くような感覚になるはず。

今どきのトレンド

  • オレンジワイン再評価:世界的なナチュラルワインブームに乗り、若手が自由に醸造。
  • 古代品種の復活:一度消えかけたブドウ品種を復活させるプロジェクトが進行中。
  • エコ&サステナブル:化学肥料を減らし、有機農法やビオディナミを取り入れる動きも。

💡ひとことアドバイス

現地の空気を知ると、同じワインでも味わいがガラッと変わります。

もし旅行が難しくても、インスタやYouTubeで「#GeorgiaWine」「#カヘティ」と検索すると、ぶどう畑や仕込み風景の動画がたくさん出てきますよ。

まとめ&今日からはじめるジョージアワイン

ジョージアワインの世界、どうでしたか?

最初は「なんだか難しそう…」「オレンジワインってクセが強そう…」と思っていた方も、今ならきっとこう感じているはずです。

「あれ?意外と身近で、しかも面白い!」

今日からできる3ステップ

  1. 1本買ってみる
    オンラインでもスーパーでもOK。最初はラベルや品種よりも「なんかおしゃれ」「気になる色」で選んでOK!
  2. 料理に合わせて飲む
    麻婆豆腐にルカツィテリ、餃子にムツヴァネ…そんな実験こそジョージアワインの醍醐味。
  3. ちょっとだけ背景を知る
    クヴェヴリの写真や、カヘティ地方の景色を眺めながら飲むと、不思議と味が深くなる。

ジョージアワインの魅力おさらい

  • 8,000年の歴史+ユネスコ無形文化遺産の製法
  • オレンジワインだけじゃない、多彩な味わい
  • スパイス、中華、家庭料理…幅広くマッチ
  • 価格帯も2,000円台からプレミアムまで選べる
  • 若手醸造家が盛り上げる、今が旬のワイン文化

最後にひとこと

ジョージアワインは日常をちょっと特別にするワインです。 「今日はカレーだからクヴェヴリ開けちゃおうかな」なんてノリで、どんどん試してほしい。 そのうち冷蔵庫やワインラックに、自然とジョージアワインが常駐してる…そんな未来が待ってます。

ガウマルジョス!(乾杯!)🥂

ジョージアワインの誤解をほどくQ&A

ジョージアワインって全部オレンジワインなんでしょ?

いいえ!オレンジワイン(アンバー)はジョージアの顔ではありますが、全体の数%〜1割程度しかありません。残りはステンレスや樽を使ったモダンスタイルや、赤ワインもたくさん。だから「ジョージア=渋くてクセが強い」って思って避けてたら、めちゃくちゃもったいないです。

渋みが強いって聞いたけど…苦手でも大丈夫?

大丈夫です!クヴェヴリ仕込みは渋みやボディがしっかりしていることが多いですが、ステンレス仕込みの白や軽めの赤は渋み控えめ。「軽やかタイプ」を選べば、普段白ワイン派の人も安心して楽しめます。

クヴェヴリって管理が難しいから高いんじゃない?

確かに手間はかかりますが、必ずしも高額になるわけではありません。甕の埋設や手作業の工程が多く、希少性はありますが、3,000円台から買えるクヴェヴリワインも普通にあります。

オレンジワインってどうやって冷やすのが正解?

赤と白の中間くらい(10〜14℃)が目安。冷やしすぎると香りが閉じるし、常温すぎると渋みが立つので、冷蔵庫から出して10〜15分置くくらいがベスト。

甘口はあるの?

あります!「Semi Sweet」や「Naturally Sweet」と書かれたラベルの赤ワインや、ウサヘラウリなど希少な甘口品種も。デザートやチーズとのペアリングにぴったりです。

author
Watanabe Yuki
WEBライター
author https://gwine.store

旅先で出会ったジョージアワインがきっかけで、ナチュラルワインの世界へ🍇ワインと猫が好き/白よりオレンジ派🍊/ゆるくヘルシーに生きたい30代です。