オツハヌリ・サペレ(Otskhanuri Sapere)は、生産量の少ないイメレティ地方の黒ブドウです。チュリチネブリがクヴェヴリで4ヶ月、樽で6ヶ月と2段階の熟成を重ね、サワーチェリーやザクロのアロマに、バニラやトーストの樽香を控えめに効かせました。奥行きのある味わいを、肉料理やチーズとともにどうぞ。
深いルビーヴァイオレットの色合いに、まず目を引かれます。グラスから立ち上がるのは、サワーチェリーやザクロを思わせる、酸を含んだ赤い果実の香り。そこへ杉やローズマリーのような森のハーブ、控えめなバニラやトーストのニュアンスが重なり、香りに落ち着いた陰影を添えています。口に含むと、果実の凝縮感がありながら、鮮やかな酸が全体を引き締める印象。しっかりしたタンニンが骨格をつくり、フルボディらしい飲みごたえへつながります。重厚さはありますが、酸があるため輪郭はぼやけません。酸、果実、樽の香ばしさがそれぞれに主張しながら、ひとつの流れにまとまっていきます。余韻には果実味と樽由来の香ばしさがゆるやかに残り、クヴェヴリと樽熟成の重なりが、力強さの中にも整った表情を感じさせる赤ワインです。飲み進めるほど、赤い果実の酸がもう一度きれいに戻ってくる印象です。
店頭でおすすめするなら、「果実味はあるけれど、軽いだけではない赤を探している方に」と伝えたくなるタイプです。サワーチェリーやザクロのような酸のある果実感があり、そこに森のハーブや、ほんのり香ばしい樽のニュアンス。ちゃんと飲みごたえはあるのに、アルコール感で押すというより、酸とタンニンで形をつくっている印象です。少し珍しいオツハヌリ・サペレを試してみたい方にも、入り口が見つけやすいと思います。肉料理だけに寄せず、きのこや根菜を香ばしくした一皿にも置いてみたい。気取らず開けられるけれど、グラスの中にはしっかり見どころがあります。ワインに慣れた方なら、クヴェヴリと樽熟成の重なりも面白く感じられそうです。ジョージアワインらしい造りの個性と、樽熟成の親しみやすさが同じ場所にある。こういうところが、ちょっと楽しいです。
ラムとクミンの組み合わせには、少し荒い魅力があります。噛むと肉の香りが広がり、クミンが鼻に残り、焼いた長ねぎの甘みがあとから来る。そこに合わせたいのは、軽く流すワインではなく、その香りを受け止める深さのある赤です。 クヴェヴリで果皮や種子とともに発酵されたこのワインには、ブラックベリーの濃い果実味と、滑らかに溶け込んだタンニンがあります。ラムの脂にはそのタンニンがちょうどよく触れ、焼き目にはほのかなスモーキーさが重なりそうです。さらに、後味に感じるスパイスや土のニュアンスが、クミンの乾いた香りと手を組みます。派手なソースはいりません。少ない要素で、ワインのクヴェヴリらしさまで見えてくる一皿です。
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