ビターチョコレートを思わせる深い香りに、ふっとバニラのような甘やかさが重なります。口に含むと、ブラックベリーやカシスの果実感が前に出すぎず、土っぽさや旨みをまといながら、ゆっくり層になって広がる印象です。ミディアム〜フルボディらしい飲み応えはありつつ、生き生きとした酸が全体を引き締め、重さだけで終わらせません。柔らかさを含んだタンニンが後半に残り、果実、ほろ苦さ、旨みが少しずつ表情を変えていきます。7品種をブレンドした赤らしく、ひとつの香りに寄り切らず、暗い果実と土のニュアンスが重なっていくところに個性があります。甘さを強く感じさせるというより、香りの奥にやわらかな丸みがあり、グラスの中で少しずつ輪郭が見えてくるタイプです。最初の濃さより、後から残る旨みが印象に残ります。