赤身ステーキは、脂で押す料理ではありません。噛む料理です。焼き目をつける。塩を打つ。黒こしょうを挽く。ソースで隠さず、肉汁をそのまま主役にする。そこにこの赤を置くと、かなりまっすぐな組み合わせになります。力強いタンニンは、赤身肉の繊維と焼き目に正面からぶつかり、噛むほどに出る旨みをぐっと締めてくれそうです。
完熟チェリーや赤プラムを思わせる果実味は、肉汁の甘みと焦げた香ばしさを少し艶っぽく見せます。フレンチオーク由来のバニラのニュアンスは、黒こしょうや焼いた脂の香りにふっと重なり、ただワイルドなだけで終わらせません。皿の上はシンプル。でも、口の中は厚い。肉、塩、火入れ、ワイン。その4つだけで成立する、がっつり派のためのペアリングです。