10年を超える熟成を経たオレンジワインには、日本ではなかなか出会えません。2014年に手摘みしたムツヴァネをビネヒがクヴェヴリで発酵・熟成させ、白い花やカモミールのやさしい香りに洋梨や熟したリンゴの果実味が溶け合います。熟成オレンジの深みを体験したい方へ贈る、プレミアムリザーブの1本です。
琥珀色のグラスに近づくと、まず白い花とカモミールのやわらかな香りがふわりと立ち上がります。香りの印象は穏やかですが、口に含むと洋梨や熟したりんごを思わせる果実味がしっかり広がり、グレープフルーツの皮のようなほろ苦い爽やかさが後から輪郭を添えます。フルボディらしい厚みがありながら、質感はなめらかでシルキー。果皮や種、果梗まで含めてクヴェヴリで仕込まれたことによるタンニンが、やさしい香りの奥に芯を作ります。熟成したヴィンテージの落ち着きもあり、果実味は明るく弾けるというより、じんわりとほどける印象です。
オレンジワインと聞いて軽めの雰囲気を想像すると、少し印象が違うかもしれません。白い花やカモミールの入口はやわらかいのに、飲むとしっかり。作り込まれた派手さより、畑や仕込みの情報が味の芯に出ているような印象があります。何度も主張するというより、ひと口ごとに「なるほど」と感じる要素が増えていく、そんな楽しさがあります。慣れた方にも、少し珍しい体験を求める方にも届きそうです。
卵トマト炒めのいいところは、味がやさしいのに、口の中ではちゃんと忙しいところです。卵はふわふわ、トマトはじゅわっ、生姜はふっと香る。そこにこのオレンジワインを合わせるなら、辛さで押す中華ではなく、香りと酸味で遊ぶ中華として見せたい一皿です。 トマトの酸味には、ワインのグレープフルーツの皮のような爽やかなアクセントがつながりやすく、卵の丸い甘みには洋梨や熟したりんごの果実味が寄り添いそうです。白い花やカモミールの柔らかな香りは、にんにくや唐辛子を強くしないぶん、料理の湯気の中でも消えにくいはず。仕上げは塩を少し強めに、生姜を少し。
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